バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ全曲(堀米ゆず子)

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バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ全曲
堀米ゆず子 Yuzuko Horigome (Violin)
2015年3月9日,7月21-22日,2016年1月5-6日 神奈川・相模湖交流センター
EXTON OVCL-00587(P)(C)2016 Octavia Records Inc. (国内盤)
好録音度:★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

CD試聴記」からの転載記事です。

モダン楽器による演奏。 1986-87年にソナタ集のリリースはありましたが,全集はこれが初めて。 まさに満を持しての全曲録音というところでしょう。 情熱ほとばしる渾身の演奏が素晴らしいですね。 特にシャコンヌの高揚感に胸が熱くなります。 技術が優れているのはもちろんですが,綺麗にまとめようとせず, ぎりぎりまで挑戦する意欲的演奏に感動!

ただ一点惜しいのは,パルティータの二部形式の楽章で,後半のリピートが省略されていることです。 私にとっては心底からこのバッハ演奏を楽しむための基本条件が欠けています。 素晴らしい演奏だけにこれは残念でなりません。

そして録音なのですが...残響が直接音よりも支配的で, 心地よい響きを演出するよりも楽器音を濁し,明瞭度と質感を低下させる効果しか感じられません。 残響の取り入れ方,残響の質とも良くないと思います。 楽曲によって録音の質に若干のばらつきがあり統一感がないのも全集としてあまり良い印象ではありません。

まあここまでは録音のポリシー,好みの問題なのである意味諦めざるを得ない面はあるのですが, この録音には私にとっては許容し難い欠陥があります。 少なくとも数カ所,クリップによる「ジャ」という異音が発生するところがあります。 たとえば,ソナタ第2番フーガの4:57,ソナタ第3番フーガの6:45のところです。 一瞬なのと元々録音があまり綺麗ではないので気がつきにくいのですが, 気になり出すと安心して音楽に身を委ねることが出来ません。

これは録音の善し悪し以前の製品の基本品質の問題です。 一瞬のことだからええやんと思われるかもしれませんが,私にとっては傷のあるダイヤモンドと同じです。

そもそもこのレベルのクリップに編集段階で気がつかないということはあり得ないと思います。 それをこのまま何の断りもなく知らん顔してリリースするというのはあまりに音楽愛好家に対して不誠実ですし, 演奏家にも失礼だと思います。 もし気づかずにリリースしているとしたら,品質に対する意識が低すぎてそれはそれで問題だと思いますが...

と,いろいろと文句を垂れてしまいましたが,素晴らしい演奏であったが故に, 落胆も大きかったということで...失礼しました。 世界標準の使い方から外れるこの変なパッケージにも文句を付けたかったのですが,そんなことはどうでも良くなってしまいました。

■ この記事へのコメント

jun
こんにちは
いつも無伴奏のページ参考にしています。
こちらの盤は視聴で聞いてもわかるくらいに(笑)残響過ですよね。本拠地ベルギーのレーベルで録音して欲しかった気もします。
クリップノイズの件はオクタヴィアに問い合わせで修正してもらえないでしょうかね?演奏は素晴しそうなので購入は検討します。
2016.04.08 at 23:58 #6.e6ZSuY URL [Edit]
T.S.
コメント有り難うございます。あくまで私の想像にすぎませんが,あのノイズは収録時にA/D変換するときにすでにクリップしてしまっているのではないかと。これを修正するのは結構やっかいだと思います。下手に修正するとかえって変になってしまうかもしれませんし。あまり目立つノイズではないのと,修正が難しいであろうことから,もう諦めています...
2016.04.09 at 23:02 #- URL [Edit]
T.S.
私の知り合いがオクタヴィア・レコードに問い合わせしてくださったみたいなのですが,音沙汰なしのようです...
2016.04.16 at 10:37 #- URL [Edit]

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