好録音について考える(4) ~ 演奏と残響と録音

優れた演奏者は,演奏している空間の響きを感じ取りながら,聴衆に届く残響を計算に入れて楽器から発する音をコントロールしているはずです。そう思うと,音源からの直接音と残響のトータルで音楽が完成すると考えざるを得ません。しかし,録音を通して聴取者に届く音からは,演奏者が意図した本来のトータル効果はもはや得ることは出来ません。

従って,演奏者は,その演奏が録音を通して聴取者に届くとわかっているときには,残響のカクテルパーティー効果は期待できないとして,あらかじめそれを計算に入れ,残響の効果を期待しない発音コントロールをすべきだと考えます。

また録音の担当者も同様に,残響のカクテルパーティー効果が期待できないことを計算に入れ,(1)音の明瞭性を意識的に一段上げる(たとえば音源にもう一歩近づく),(2)残響音比率をカクテルパーティー効果が得られない分だけ意識的に下げる,といった音作り上の配慮をすべきと考えます。

こういったことを演奏者と録音担当者が意識を合わせて音をデザインして欲しいと思います。

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