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好録音について考える(6) ~ 残響の理想的な取り入れ方2

前回に引き続き,理想的なエコータイムパターンを得るための考え方について述べます。

収録に使用するホール,演奏者の編成や配置,そのときの音響条件など,セッション毎にそれらの条件は様々変わります。これらの諸条件を鑑みて,(1)各楽器からの直接音をどのようにどんな距離感で捉えるか,(2)直接音と残響のバランスをどう取るか,(3)濁りの原因となる反射音をどう抑えるか,これらを見極めて適切なポイントを見つけることが重要になります。そしてこれらは全てマイクセッティング(どんなマイクを何本,どう配置し,どうミキシングするか)にかかっていると思います。

(1)の直接音の捉え方は,残響云々以前の基本です。近すぎてもきつくなりすぎますし,遠すぎても距離減衰によって鮮明さが失われてしまいますので,適切な距離感が非常に大事です。

(2)と(3)は似たようなことを言っています。反射音にしろ残響音にしろ,直接音を濁さないようにするためには,反射音や残響音の比率を,直接音によるマスキング効果によって気にならないようになる程度のレベルに抑えることが必要になります。

特に小ホールや教会などの比較的容積の小さな収録環境では,直接音に対して残響音の比率が高くなりがちです。また150msecという時間を割り込んで残響が届きやすくなり,音の濁りが発生しやすい条件が重なります。従ってこういう環境での録音は,大きなコンサートホールで収録する場合よりも,より注意深くバランスを見ていかなければなりません。このあたりはもう勘と経験,試行錯誤で最良のセッティングを探していくしかないでしょう。

録音の基本は結局のところ直接音をいかに適切に捉えるかにあると思うのです。雰囲気云々の前に,もっと音楽の核となる直接音を大切に扱って欲しいのです。そして直接音を適切に捉えた上で,調味料としての残響でいかに素材の風味を引き立てていくのかを考えて欲しいのです。

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