FC2ブログ

ノルウェーの森~ザ・ビートルズ・クラシックス(1966カルテット)

cover picture

ノルウェーの森~ザ・ビートルズ・クラシックス
1966カルテット(1966quartet)
Recorded on 18-19 June, 11-12 July and 1 August 2010 at WonderStation Studio
COCQ-84856 (P)2010 NIPPON COLUMBIA CO., LTD. (国内盤)
好録音度:★★★★☆
参考: HMV Online,Amazon.co.jp,Tower Records

※感想追記しました

ビートルズの名曲を松浦梨沙,花井悠希(ヴァイオリン),林はるか(チェロ),長篠央子(ピアノ)というクラシック編成のカルテットで演奏しています。編曲は加藤真一郎。

録音はスタジオで行われており,少し残響が多めに取り込まれているものの(人工的なリバーブか?),直接音が極めて力強く(?)明瞭に録られており,解像感も高く,トータルとして悪くありません。少々演出臭さがあってクラシック的な自然な音作りではないのでクラシックとして聴くと違和感があるかもしれませんが,これであれば私としてはほぼ文句はありません。(もちろん演出臭さは余計で,ない方が良いのですが)

私の音楽遍歴はビートルズのアルバム「レット・イット・ビー」から始まったので,ビートルズの熱心なファンではないにしてもそれなりに思い入れがあります。こういうクラシックへの編曲ものを見るとついつい聴きたくなって手を出してしまうのですが... 演奏についてはまた後日触れたいと思います。

(記2011/01/08)


演奏についての感想を追記します。

ポピュラー音楽のクラシック編曲ものはついつい手を出してしまいがちなのですが,その多くは「あぁ失敗した...手を出すんじゃなかった」と後悔することが多いです。残念ながら。その理由は,第一にあまりにもノリが悪いこと,第二にやたらポルタメントやグリッサンドを使っていて興醒めであること,第三に独立した作品としての魅力に乏しいこと,で,結局,所詮クラシック演奏家の余興,BGM程度にしか聴こえなかったためです。

上記についてもう少し補足しておきます。

第一の「あまりにもノリが悪い」について。何もリズム感がない・悪いと言っているわけではありません。演奏者のリズム感がポピュラー系とクラシック系で根本的に違うと思うのです。ポピュラー音楽をクラシックのリズム感でやるものですから全く乗れないのです。

第二の「やたらポルタメントやグリッサンドを使っていて興醒め」について。多用したらポピュラー音楽らしくなるとでも思っているのか? しかもポピュラー系のプレーヤーが当たり前のように使うテクニックは一切使ってこないのです(ポピュラー音楽で多用されるのは基本的にはエレクトリックギターのベンディング(チョーキング)のテクニックに相当)。その結果,野暮ったいことこの上なし,となってしまうのです。

第三の「独立した作品としての魅力に乏しい」について。歌のメロディーを単に楽器に置き換えるだけではどうしても単調で棒弾きに聴こえてしまいます。それをどう料理するか。また,編曲・演奏をポピュラー系に振るのかクラシック系に振るのかにもよりますが,クラシック系に振ったときに,原曲を忘れて室内楽曲と見た場合にあまりにも作品としての充実度が低く魅力に乏しい,結局BGMにしかならないのです。

という観点でこのアルバムを聴いたときにどうか。

ノリが良いか,という点では微妙です。やっぱりクラシックのリズム感なのですが,頑張っているな,というのは認めます。ちょっと真面目に弾きすぎです。「楽譜にそう書いてあるからそう弾いてるのね...」というところもあります(これは半ば仕方ないですが)。そう感じさせないためにどうしたらいいか?

ポルタメントやグリッサンドについて,ところどころでわざとらしく入るところはありますが,そもそも多用されていないので嫌みは少ないです。しかし逆に「ここでさりげなくこう入れたら格好いいのに...」というところ多数あり。

そして独立した作品としての充実度。いったいポピュラー系に振りたいのかクラシック系に振りたいのか,どっちなの? 前者と思える編曲もあれば後者と思えるものもあり。演奏自体はクラシック奏法だけなので,ポピュラー系に振ってあるものは演奏が物足らず,クラシック系に振ってあるものは充実感が薄い,結局どっちつかずの中途半端な印象です。結局,演奏者のがんばりにも関わらず,BGM,クラシック演奏家の余興の域を脱していないと思います。

と,ちょっと辛口コメントとなってしまいましたが,実際には結構楽しませていただきました。「抱きしめたい」「ハード・デイズ・ナイト」「エリナー・リグビー」などいい線行っていると思います。私としてはポピュラー奏法とリズム感をちゃんとマスターしてポピュラー路線で格好良く決めて欲しいと思っています。

最後に...「ヒア・カムズ・ザ・サン」,「バック・イン・ザ・USSR」を入れて欲しかった。「レット・イット・ビー」はアルバムバージョンで編曲して欲しかった。「ホワイル・マイ・ギター・ジェントリー・ウィープス」はエリック・クラプトンのギターソロを端折っているのは納得いかない...

以上。今後の活躍・がんばりに期待します!

(記2011/01/10)

■ この記事へのコメント

■ コメントの投稿

:

:

:

:

:

管理者にだけ表示を許可する

-->