モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲全集(クレーメル/クレメラータ・バルティカ)

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モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲全集
ギドン・クレーメル(Gidon Kremer)(Violin)
クレメラータ・バルティカ(Kremerata Baltica)
Recorded live in concert at Haus fur Mozart, Salzburg, August 11, 2006
7559-79886-3 (P)(C)2009 Nonesuch Records Inc. (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: HMV OnlineAmazon.co.jp

レコード芸術誌の2009年度のレコード・アカデミー賞銀賞を獲得した名盤。皆さんの方がよくご存じかもしれません。遅ればせながら聴いてみました。モーツァルトのヴァイオリン協奏曲といえば,カトリーン・ショルツの全集が一番好きなのですが(そんなにたくさん聴いていませんが),ショルツの演奏はどちらかといえば個性を追求するよりもその曲の持つ本質的な美しさを引き出そうとするようなアプローチでした。対してこのクレーメルの演奏はその対極ともいえるアプローチで,クレーメルだからこそ許される,そして受け入れられる極めて個性的なものですね。正直に言うとまだこの演奏にはついていけないところがあります。

私がこの演奏で気に入ったのはクレメラータ・バルティカのバックの方で,雄壮とも言える気合いと勢いに今までの演奏にない新しさを感じました。クレーメルの偉いところは既成概念にとらわれず常に新たな可能性を追い求めてそれを形にし,こういう超古典にも新たな命を吹き込んでいくところだと思っています。

モダン楽器奏者はクレーメルのようにもっと挑戦的になって欲しい。今はまだまだピリオド楽器奏者の方がずっと挑戦的に思います。作曲家は生みの親,そして演奏家と聴衆は育ての親。作曲家が残した素晴らしい曲という赤ん坊の無限の可能性をいかに引き出し育てていくかが演奏家と我々聴き手の役目ですね。

録音ですが,少し残響を伴っていて音色に若干の曇りが感じられるものの,全体としては比較的すっきりと見通しよく捉えているので印象は悪くありません。もちろん私としてはもっと残響を抑えて透明感ある音でくっきりと捉えて欲しいと思っていますが。

■ この記事へのコメント

Sugar
一聴普通の音だったのですが、SPセッティング(微妙に)を変えたとたんに非常に優秀録音に聴こえ始めました。ちょっと高域寄りの音ですが、いい録音だと思います。
クレーメルの音像が揺らぐのは、楽器を振っているせいなのかなぁ。
2011.02.24 at 09:59 #GE1Q478A URL [Edit]
T.S.
コメント有り難うございます。返事が遅れてしまいました。
スピーカはちょっとしたセッティングの違いで音が変わるのは確かですね。いろんな要素が絡むのでどうすればどうなるというのが一概に言えないのが難しいところですし,面白いところです。この録音は確かにそういうことで優秀録音に聴こえたりそうでなかったりするかもしれません。

クレーメルは大昔にアルゲリッチとのデュオを聴きに行ったことがあります。譜面台を立てて演奏されていたのですが,譜面台の周囲の扇形の領域をチョロチョロ動きながら弾いていたのを思い出しました。楽器を振るというより歩き回っている感じかもしれないですね。弾き振りみたいですし。
2011.02.26 at 07:19 #- URL [Edit]

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