ベートーヴェン:交響曲全集(エマニュエル・クリヴィヌ指揮/ラ・シャンブル・フィルハーモニック)

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ベートーヴェン:交響曲全集
エマニュエル・クリヴィヌ指揮 Emmanuel Krivine (Conductor)
ラ・シャンブル・フィルハーモニック La Chambre Philharmonique
2009年6月~2010年5月
V5258 (P)2010 La Chambre Philharmonique (C)2011 naïve (輸入盤)
好録音度:★★★★☆(第1番~第8番),★★★★(第9番)
参考: HMV OnlineAmazon.co.jp

昨日の今日で大変申し訳ないのですが,記事を修正します。当初五つ星を付けていましたが四つ星半に訂正します。理由は昨日の記事のあとに記載します。(記2011/06/15)



このベートーヴェンの交響曲全集,Webや雑誌を見る限り,演奏では多少取り上げられているものの,録音について触れているものは皆無と思えるほど見つからないです。私の苦手なピリオド楽器ということで手に入れるか入れまいかさんざん迷ったあげく,聴いてみることにしたのですが...これが大当たりでした!

まず録音。マルチマイクで録ったのでしょうか,各楽器の直接音がくっきりと捉えられています(特に管楽器)。音色も自然でヌケも良く,各楽器の分離も良く,見通しも良く,そして何より全体としての「サウンド」「鳴り」が良いのです。総合点として95点は付けられます。残りの5点は,弦楽器をもう一歩踏み込んで生々しい質感で捉えて欲しかったというところと,わずかな音色のバランスの崩れですが,ほんの少し惜しいというくらいです。オーディオ的には最近の音場の自然さ重視の録音とは方向性が異なりますし,やや高域がきついので,こういった点から評価されていないのかもしれませんが,私としては今まで聴いたベートーヴェンの全集の中で最も好ましいと言えますし,オーケストラの録音としても相当良い部類に入ると思っています。残念ながら第9番だけはかなり落ちて普通の録音でした。

演奏ですが,中規模の室内管弦楽団と思われますが,室内楽的な雰囲気が良く,また全体にスピーディーで推進力があり小気味よいところが気に入っています。唯一の不満はこれがピリオド楽器だということです(^^;。それでも木管楽器の素朴な響きは悪くありませんし,ティンパニーもピリオド臭くなく,弦楽器のノンヴィブラートもそれほど嫌みがなく,ピリオド楽器であることがほとんど気になりません。とはいえ,やっぱりモダン楽器の室内管弦楽団だったらどんなに良かっただろうかと残念に思います。

とまあ100点とは行かないまでも十分に五つ星,久しぶりに演奏・録音とも心躍る大満足のディスクに出会いました。愛聴盤候補です。これからもっと聴き込んで評価を固めていきたいと思います。

(記2011/06/14)



このディスクを聴いていて,他のディスクよりも明らかに録音レベルが数dB高いので,どのような音で入っているのかを波形で見てみました。見てびっくり! フォルテのところが軒並み頭打ちになっているのです。平均音圧を上げる代わりに,オーバーした分をリミッターでクリッピング(?)するというやり方が採られているようです。単純にクリップさせているわけではなさそうなのでノイズにはなっていませんが,音が硬く刺激的になり,音色のバランスもわずかに崩れているのはこれが原因になっている可能性があります。

それでもなお好録音であることには変わりありませんし,愛聴盤候補であることも変わりないのですが,こういうやり方はやっぱり賛成出来かねます。普通はピークレベルでノーマライズします。局所的に高いピークがある場合はここだけリミッターをかけるのは賛成ですが,このディスクは少しやり過ぎているように思います。

波形を見るまで気がつきませんでしたので,気にするほどではないかもしれませんし,6/14に書いたように「演奏・録音とも心躍る大満足のディスク」と思ったのも事実でその気持ちはまだ変わりませんが,知ってしまった以上気持ちの上で納得いかないところも残ってしまいます。五つ星より四つ星半に格下げします。申し訳ありませんでした。

(記2011/06/15)

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