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ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第14番,シューベルト:弦楽四重奏曲第14番「死と乙女」(ジュリアード弦楽四重奏団)

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ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第十四番 嬰ハ短調 作品131
シューベルト:弦楽四重奏曲第十四番 ニ短調 D.810 「死と乙女」
ジュリアード四重奏団(Juilliard String Quartet)
1960年3月28日 & 4月1,4日 RCAスタジオ B,ニューヨーク市(Beethoven)
1959年2月5,6日 & 5月27日 アカデミー・オブ・アーツ & レターズ,ニューヨーク市(Schubert)
SBT 1373 (P)(C)2005 TESTAMENT (輸入盤)
好録音度:★★★★★(ベートーヴェン),★★★★(シューベルト)
参考url: HMV Onlineicon,Tower Records,Amazon.co.jp(←これだと思いますが違ったらごめんなさい)

クラシック名録音106究極ガイド(嶋護[著])のNo.66に,ジュリアード弦楽四重奏団演奏のシューベルト:弦楽四重奏曲第14番「死と乙女」が載っています。本で紹介されているのはRCAのLPレコードですが,このTESTAMENTの復刻CDと録音日が同じなので(実は微妙に違うのだが...),録音自体は同じものと思われます。ただし,LPレコードとCDの差,復刻による差など,著者と聴いている音質はかなり違うかもしれません。氏はこの録音をライナー/シカゴ交響楽団の一連の録音で有名なルイス・レイトンが手がけた貴重な室内楽録音で,「室内楽録音の頂点を極める美しさ」としています。

私はこのCDについて過去2回取り上げています(好録音探求とCD試聴記の編集日録2005年10月5日)。その中ではいずれもベートーヴェンだけを取り上げ,シューベルトは取り上げていませんでした。ベートーヴェンの録音があまりにも私にとって衝撃的だったので,それに比べてあまりにも真っ当で少々音のヌケが悪かったシューベルトの録音が霞んでしまったと言えます。

今改めて冷静にこのシューベルトを聴いてみると,残響を抑えて楽器の音をしっかりと収めているということに気がつきました。このTESTAMENTの復刻では単純に高域が足らず曇って聴こえるために損をしているだけで,帯域の伸びとバランスの良さがあればかなりの好録音と言えたかもしれません。ただ,ベートーヴェンの録音に比べると,あまりにも完成度が高すぎるのか商品として演出されていて現実感が希薄なのです。

今またこのCDを聴いて,(シューベルトではなく)このベートーヴェンはやっぱり最高の好録音だと改めて感動している次第です。何度も申し上げますが,オーディオクオリティはその時代相応ですので,この点は期待してはいけません。この録音は,好録音というものがそういったクオリティを超えて別の次元で決まるものだということを示す最高の事例だと思うのです。(とはいえ,クオリティはやっぱりある一定水準をクリアしていることが条件になりますが)

現代のオーディオクオリティでこのような好録音が現れることを切に願っています。ぜひ聴いてみたい!

このエントリーを書きながら,室内楽,器楽曲の録音に関して,過去に書いた「私は自宅のリスニングルームでコンサートホールの音響を再現したいとは全く思いません。」という一文を思い出しました(CD試聴記 編集日録 2005年10月5日,10月7日もぜひご参照ください)。この思いは今でも変わりません。これはオーディオ再生のことを言っているのではなく,録音はコンサートホールや教会で行うものだという既成概念から脱却しませんか,ということを言っています。このベートーヴェンを聴いていただければ,少しはその思いがわかっていただけるのではないかという気がしています。

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