ベートーヴェン:交響曲全集(リッカルド・シャイー指揮/ゲヴァントハウス管弦楽団)
2011/11/30

リッカルド・シャイー指揮/ゲヴァントハウス管弦楽団
録音 2007-09年 ライプツィヒ,ゲヴァントハウス
478 2721 (P)(C)2011 Decca Music Group Ltd. (輸入盤)
好録音度:★★★☆~★★★★
参考: HMV Online,Amazon.co.jp
・「プロメテウスの創造物」序曲作品43
・「レオノーレ」序曲第3番 作品72a
・「フィデリオ」序曲 作品72b
・「コリオラン」序曲 作品62
・「エグモント」序曲 作品84
・「アテネの廃墟」序曲 作品113
・「命名祝日」序曲 作品115
・「シュテファン王」序曲 作品117
曲にもよりますが,世界最速記録を狙っているのではないかと思うくらいすさまじく速くメリハリの効いた演奏には圧倒されます(一方で意外に普通の曲もある)。フルオーケストラを目一杯鳴らし切り,しかも全くアンサンブルが乱れないのも立派。しかし,快速演奏は好きなのですが,ここまで前のめりに突っ走るような演奏だとちょっと落ち着かない感じもありますし,ベートーヴェンの音楽に期待する品格にも欠ける気がします。これをどう聴くかは個々人によって大きく分かれそうです。私はまだちょっと馴染めません。
録音ですが,残響はかなり多めに入っていますが,音色のバランスはさほど崩れていないので,残響量の割には聴きやすい録音です。少しオフマイク気味で楽器の質感は弱いです。一方で音の分厚さ,密度感はものすごくあります。そのため見通しは良くなくすっきりはしていませんが,サウンドとしてのスケール感はあります。この録音を優秀録音とする方もおられるかもしれません。こういう録音は聴く度にコロコロと印象が変わってしまいます。良く聴こえたりそうでもなかったりとなかなか評価が一定しません。こういうのは残念ながら好録音とは言えません。
タグ: [交響曲]
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まるでウサイン・ボルトのような演奏なんですね(^^; 聞くところでは、どうやらベートーヴェンの表記したメトロノーム指示に忠実なようですが、今私たちがベートーヴェンに求めるものとは違い異質な印象を与える演奏のようなので何だか複雑な気分です。
ゲヴァントハウスということで、一昔前の東独の雰囲気からブロムシュテットSKD盤と同列に考えていたのですが、この2つの盤の間に横たわるベルリンの壁崩壊、それだけでなく、一躍クラシック界を座巻したピリオド・原点回帰志向は、どうやらこの比較を良くも悪くも許してくれないようですね(^^;
確かにそんな感じかもしれません。
ピリオドありモダンあり,いろんな要素を取り入れて
今までにない演奏を作り上げているのは間違いないですね。