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岩城宏之 ベートーヴェンの1番から9番までを一晩で振るマラソン

iwaki_beethoven_full_marathon[1]
ベートーヴェンの1番から9番までを一晩で振るマラソン
岩城宏之指揮/N響メンバー達による管弦楽団
2004年12月31日~2005年1月1日 東京文化会館大ホール
AVCL-25060-4 (P)(C)2005 AVEX ENTERTAINMENT (国内盤)
好録音度:★★★★☆
参考: HMV Online,Amazon.co.jp,Tower Records,新星堂
なんちゅうナメた企画を...と最初は思いました。こんなに長時間,集中力を切らさずベストのコンディションで演奏できるんだろうかと疑問に思ったからです。そして,こんなお祭りのようなイベントをCDにするとはどういう神経なんだ? しかも高いし...

でもこんな無茶なイベントでヘタな演奏をしようもんならメタメタに叩かれることは目に見えているので,演奏する側はそれなりの覚悟を持ってこのイベントに臨んだに違いない,と思い,かなり長い間悩んだ挙げ句,結局聴いてみることにしました。(1968,69年のNHK交響楽団との全集が良かったというのもあって)

第1番の出だしから木管が不安定でほれ見たことかと思いましたが,そんな思いは聴き進むにつれて吹き飛んでしまいました。至ってオーソドックスですが,とても充実感のある立派な演奏でした。演奏上の傷はやはり散見されますが,通常の演奏会でも見られる程度なのでさほど気になりません。最後まで集中力を保って,しかも手抜きなしの演奏をやりきるとは...お見逸れいたしました。

録音ですが,これがまたなかなか良いですね。残響はほとんど感じられずホールで録音したとは思えないデッドでドライな録音なので,Amazon.co.jpのレビューで「音質はスカスカで響き欠け、評価に値しません。」と評している方がいらっしゃるのも不思議ではありません。イメージとしては練習場で間近で聴くオーケストラの音に近く,ある意味とてもリアルなのです。サウンドとしてとても気持ちがよく,演奏者の思いが何者にも邪魔されることなくストレートに伝わってくる気がします。(でもまあ極端な録音ではあるので人にお勧めするのは少しためらうのも事実です)

ということで,演奏も録音も予想以上に良く,気分良く聴き通すことが出来ました。しかし,それでもやっぱりこういうイベントものの録音ということが頭の端に残っていて,どこか素直に楽しめない自分がいます。このイベントをCD化すること自体に意味があるのかもしれませんが,セッションできちんと録音してくれた方が素直に楽しめるのにと少し残念に思います。

あと,岩城宏之さんのこのイベントにかける思いが解説書に書いてあるに違いないと思ったのですが,そんなことは一切書いておらず,このCDを買うような人が読むとは到底思えない楽曲の解説と岩城氏の略歴しか書いていませんでした... 好演奏,好録音なのに,いろんな意味で残念に思うディスクでした。

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