ヘッドホン audio-technica ATH-OR7 の改造とその特性

audio-technicaのATH-OR7は2006年に発売されたモデルで,このブログを始める前の2007年に,友人から借りてレビューしました(→オーディオ製品試用記)。その時の感想は「中域の癖のある響きが気になる」ということで,残念ながら良い印象ではありませんでした。

その後,同じ友人から「改造したら音が良くなったので聴いて欲しい」ということで再度お借りして聴いてみたところ,確かに中域の癖が軽減されて随分と聴きやすくなり,これなら使ってもいいかも,というくらいの音質に改善されていました。

今回,個体は違いますが,未改造のものと改造後のもので特性を測定してみました。その結果を報告します。

まずどのような改造が施されたか,ということについて簡単に説明しておきます。もともとの未改造のものは,イヤーパッドがハウジングにダイレクトに取り付けられておらず,ハウジングに固定されたリングに取り付けられていました。改造は,このハウジングに取り付けられていたリングを取り外し,イヤーパッドをハウジングにダイレクトに取り付けるというシンプルなものです。

図1に未改造のハウジング部分の写真を,図2に改造後のハウジング部分の写真を示します。イヤーパッドの付け方が異なっていることがわかると思います。

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図1 未改造のATH-OR7ハウジング部分


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図2 改造後のATH-OR7ハウジング部分


次に,バイノーラル・マイクロフォンによる周波数特性の測定結果を示します。測定方法は「バイノーラル・マイクロフォンでヘッドホンの測定を試みる(その1)」に準じます(使用マイクは異なります)。未改造が赤線,改造後が青線です。いずれもLchの測定結果です。なお,未改造と改造後は使用した個体が異なります。

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図3 ATH-OR7改造前後の特性差(未改造:Red/改造後:Blue)
※1kHzを0dBとして正規化


特性を比較してみると,改造後は400Hzあたりを中心としたディップが緩和され,相対的に1~2kHzの特性の大きな盛り上がりが緩和されていることがわかります。ハウジングに取り付けられていたリングがなくなり,ハウジング容積が小さくなり,これによって空洞共振の特性が変化し,400Hz付近の特性上の凹みが緩和されたのではないかと想像します。

改造によって音質が改善されたことが,聴感だけでなく特性上でも確認することができました。周波数バランスとしては,3~6kHzあたりのレベルがもう少し上がれば申し分のない音質になったのではないかと思います(これはあくまでも特性から見た想像ですが)。

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