ブリュッヘン指揮/18世紀オーケストラのベートーヴェン交響曲全集を少しでもマシな音で聴く方法

先日,録音について酷評してしまったブリュッヘン指揮/18世紀オーケストラのベートーヴェン交響曲全集,演奏自体は良かったので何とか少しでもマシな音で聴けないかと思いいくつかトライしてみました。といってもお薦め出来るような方法ではありませんが,参考にということで。

(1)オープンタイプのインナーイヤホンで聴く
これは特に特別な手段を使ったわけではありませんが,音を悪化させている要因の一つが過剰でブーミーな低域の響きなので,低域の再生能力の低いオープンタイプのイヤホンを使えば少しでもマシに聴けるのではないかということです。使ったのはゼンハイザーのMX500ですが,これはまずまず良い結果が得られました。低域が出る再生装置に比べて低域の被りが緩和されるので中高域の楽器音の明瞭感が向上します。

(2)音量を上げて聴く
これはどういうことかというと,低域の量感が多いために中高域の楽器音が相対的にレベルが低くなるので,ただでさえ低域の被りで聴き取りにくくなっているのに,音量レベルの低さがそれに輪をかけています。そうなのであれば,ブーミーな低域を無視して,聴きたい中高域の楽器音が適正なレベルになるまで音量を上げてやろうという荒技です(^^;。これもまずまずの結果でした。

低域と中高域が相対的には同じ関係が保たれるはずですが,明らかに中高域が聴き取りやすくなり,明瞭感が上がった感じがします。もちろん低域の量感も増えているのですが,意外に気になりませんでした。聴きたい音がちゃんと聞こえることがやはり大事ということでしょう。とはいえ,やっぱり全体の音量が相当上がるので,それなりの覚悟で聴く必要があります(^^;。耳にも負担がかかりますので自己責任で。

(3)SACDマルチCHのフロントCHのみを聴く
マルチチャンネルの場合,残響の総量が変わらないとすれば,響きの成分はサラウンド側の比重が大きくなり,フロント側は直接音の比重が大きくなるはずです。これを利用して残響成分を除こうという魂胆です。さらに,マルチチャンネルではプレーヤでスピーカのコンフィグレーションが出来ますので,ここで,サブウーハあり,フロントCHのスピーカを「小」とします。こうすることで,フロントの低域成分はサブウーハ側に流れ,フロントの低域成分が抑えられることが期待できます。こうやってフロントCHだけを聴くことで,残響成分とブーミーな低域成分を排除しようということです。

それで聴いてみた結果...う~ん,確かに響きが少なくなり被りが軽減されて楽器音の輪郭がよりはっきりとしてきますし,ブーミーな低域も少なくなり聴きやすくはなりましたが...なんかちょっと違う気もするんですよね。何かが抜け落ちているというか,全体のバランスが崩れているというか...

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ということで,(1)はいいとして,(2)(3)はまあ話のネタとしてとりあえずやってみたというくらいの話なのですが,このディスクをいろいろなやり方で聴いてみて,装置や聴き方によって印象がコロコロと変わるということが改めてわかりました。再生環境を選ぶ音源だなぁと。こういう音源も困ったもので,聴く側としては,再生装置や再生環境,状況が変わってもできるだけ印象が変わらず楽しめる方が有り難いと思います。実際にそのように楽しめる音源もあるのです。私が好録音として選んでいるものはだいたいそれに該当します。やはりこういう録音は好録音の観点からも好ましくないと思います。

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