バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ全曲(クリストフ・バラティ 2002年録音 1回目)

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バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ全曲
クリストフ・バラティ Kristof Barati (Violin)
Concert enregistre en public le 18 juin 2002 a Pleyel.
LVC 1030 Saphir Productions (輸入盤)
好録音度:★★★★★
参考: 公式WebサイトAmazon.co.jp
CD試聴記」からの転載記事です。2回目のレビューです。

これは本当にライヴなのだろうか,というくらい充実感のある演奏です。 非常に高い集中度で曲に真正面から取り組んでいるのがひしひしと伝わってきます。 切れ味が鋭く鋭角的であり,張りの強い音色が印象に残る力演です。 表現は奇をてらうことのないオーソドックスなもので,緩急強弱も控えめですがツボを突いていますし, テンポも中庸ですがきびきびとしており,聴いていて気持ちよいです。 強いて言えば,若さ故の謙虚さからか,一つ一つの音を丁寧すぎて推進力が削がれているところもあり, もうひと味欲しいなという感じはありますが,これは酷な要求というものでしょう。 技術力,安定感も秀でていますが,ソナタ第三番,パルティータ第三番では,あれっと思うミスも見られました。 一日で全曲をこなした疲れでしょうか,ちょっと残念に思います。

録音はライヴで,私の大好きな録音の典型です。残響感が全くなく,極めて鮮明に,生々しく,ライヴらしい実在感をもって捉えられています。音色も自然であり,演奏の全てが本当にストレートに,子細に伝わってきます。楽器の質感もよく捉えられています。わずかに反射音による濁りが感じられるものの,この程度であれば全く問題ありません。ライヴとしてはこれ以上は望めないでしょう。最高です。このような録音ではオーディオ的クオリティが悪い場合も多いのですが,この録音はこの点でもまずまず合格です。

バラティ氏は,1979年生まれ,ハンガリー,ブダペスト出身。 1997年のエリザエート国際コンクールで3位入賞など,なかなかの実力者です。2009年に2回目の全集録音をしています。

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