ハイドン・トータル(ハイドン:弦楽四重奏曲全集)(東京藝術大学音楽学部室内楽科&ウィーン音楽演劇大学ヨゼフ・ハイドン室内楽研究所)

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ハイドン・トータル haydn total ハイドン:弦楽四重奏曲全集
東京藝術大学音楽学部室内楽科とウィーン音楽演劇大学ヨゼフ・ハイドン室内楽研究所との共同プロジェクト
2008年~2012年
東京藝術大学出版会 (P)(C)haydn total project (国内盤)
好録音度:★★★☆~★★★★
参考: HMV OnlineiconAmazon.co.jp
2008年の初めから2012年にかけて,ハイドンの弦楽四重奏曲68曲を,東京藝術大学音楽学部室内楽科とウィーン音楽演劇大学ヨゼフ・ハイドン室内楽研究所の両大学で分担し録音されたもの。演奏は両大学の現役学生と卒業生で,名前のついている弦楽四重奏団が27団体,このプロジェクトのために編成された“4 for Haydn”が10団体参加しています。すでに国際的に活躍している団体もあるようですが,大多数がこのプロジェクトのために編成されたとのことです。

また,録音指導と録音技師の養成もこのプロジェクトの重要な要素であったとのことで,多くの録音プロデューサとバランスエンジニアが名を連ねています。

収録曲は,最新の研究の成果を反映して,Opp.1 & 2, Op.9, Op.17, Op.20, Op.33, Op.42, Op50, Opp.54 & 55, Op.64, Opp.71 & 74, Op.76, Op.77, Op.103の計68曲で,十字架上の七言は編曲ものということで省かれています。

というような企画なので,いったいどんな演奏が聴けるのだろうかと半ば不安に思いながら聴き始めましたが,多くの団体が分担しているにも関わらず,全体としての統一感があり,水準も高いことに驚かされました。指導が行き届いているのでしょう。演奏者の“個性”は抑えられている感がありますが,逆にそれが功を奏し,ハイドンの音楽の素朴さ,楽しさが浮き彫りになっているように思いますし,またこの統一感が全集としての価値を上げているとも思います。

さて,期待の録音ですが...う~ん,私としてはちょっと期待はずれでした。残響はそれほど多くないのですが,初期反射音と残響との間くらいの反響音が多く,これが楽器音の明瞭感を奪い,音色を大きく曇らせる原因になっています。この反響音は残念ながら音楽的には何の役にも立っていません。楽器の質感を,鮮度を,精彩を奪っているだけです。演出臭はあまりなく生録的な素朴な録音で場の雰囲気はある程度伝わってくるのですが。

多少のばらつきはありますが,録音も概ね全体的には揃っています。この録音で揃ってしまっているというのは本当に残念なのですが...

余談ですが,この箱のでかさには閉口します。存在感ありすぎです。80枚組くらいかと思ってしまいました(22枚組です)。保管場所の確保が大変ですし,持ちにくいですし,箱も開けにくいですし,ディスクも取り出しにくいですし...力を入れたい気持ちはわかるんですけどね。

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