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シベリウス:交響曲全集(アブラヴァネル/ユタ交響楽団)

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シベリウス:交響曲全集
モーリス・アブラヴァネル(Maurice Abravanel)(Conductor)
ユタ交響楽団(Utah Symphony Orchestra)
May 1977, Mormon Tabernacle, Salt Lake City, UT
Vanguard Classics ATM-CD-1201/1202 (P)(C)2003 Artemis Classics, LLC (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: HMV Online (a)icon,(b)icon

シベリウスの演奏としてはかなり特異なのではないかと思います。「アメリカ的」なんていう言葉で濁したくなかったのですが,やっぱりなんとなくアメリカンなんです。それもニューヨークやシカゴといった大都会の雰囲気ではなく,田舎町の垢抜けないネアカな感じですね。フレーズの節々に微笑ましい味を出しています。正直言ってあんまりシベリウスを聴いている感じがしません(特に第一番,第二番)。これはこれで面白いのですが。

録音ですが,ブラームスの交響曲同様,残響を抑え気味にして直接音主体に各パートを明瞭に捉えた好録音と言えます。やはり同様にオーディオクオリティは少し粗さが感じられますが,私としては十分に我慢の範囲です。

なお,(b)のディスク2にはエイドリアン・ボールト指揮ロンドン・フィルによる交響詩集(1956年録音)がカップリングされています。

タグ: [交響曲] 

シベリウス:交響曲全集,ヴァイオリン協奏曲,他(マゼール/ラクリン/ピッツバーグ交響楽団)

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シベリウス:交響曲全集
交響曲第一番~第七番,ヴァイオリン協奏曲 作品47,セレナーデ 作品69-2,エン・サガ 作品9,トゥオネラの白鳥 作品22-3,カレリア組曲 作品11,悲しきワルツ 作品44-1,フィンランディア 作品26
ロリン・マゼール指揮(Lorin Maazel)(Conductor)
ジュリアン・ラクリン(Julian Rachlin)(Violin)
ピッツバーグ交響楽団(Pittsburgh Symphony Orchestra)
1990-1992年録音
SB5K 87882 (P)1994 (C)2002 Sony Music Entertainment Inc. (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: HMV Onlineicon

マゼール2回目の全集(1回目はウィーン・フィル)。それにしても...ピッツバーグ響はマゼールのロボットに徹していますねぇ。感情を廃して指揮者に命ぜられるがまま忠実に整然と音楽を形作っているという感じがします。フォルテであっても荒れる感じは全くなく抑制されていてとても美しく響きます。ある意味非常に成功していると思います。私は...もう少し生気のある音楽の方がいいかなとは思いますが。

次にラクリンのヴァイオリン協奏曲ですが,完全にマゼールに合わせてしまっています。「おいおい,なに一人で熱くなってんだ?」なんて言われたんじゃないでしょうか(^^;。若いのになに年寄り臭い音楽やってるんだと思ってしまうのですが,巨匠相手なので仕方ないのかもしれないですね。でも,とても上手いですね。完璧にマゼールの音楽に合わせ込んでいるあたりなどさすがです。

録音ですが,地味で最初は冴えない録音だなぁと思っていたのですが,よく聴くとオーディオ的にはとてもなめらかで緻密で上質であり,余計な音や邪魔な残響などもあまりなく,中身の充実したいい録音だということがわかってきました。もう少しヌケの良さがあれば文句なかったのですが,惜しいと思います。

このCD,国内で取り扱いがあったのかはわからないのですが(別のバージョンは廃盤ですね),amazon.comではまだあるようです。

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シベリウス:交響曲全集(セーゲルスタム/デンマーク国立交響楽団)

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シベリウス:交響曲全集
レイフ・セーゲルスタム(Leif Segerstam)(Conductor)
デンマーク国立交響楽団(Danish National Symphony Orchestra)
1990-1992, Danish Radio Concert Hall, Copenhagen
8867 Brilliant Classics (輸入盤)
好録音度:★★★☆
参考: HMV Onlineicon

ゆったりとしていてスケール感がものすごくあります。オーケストラを力強く存分に鳴らしながら,荒っぽくなることなく雄大な音楽を作り出しています。第一番,第二番だけでなく,第三番や第六番でもこんな感じなので,このあたりは好みが分かれるかもしれません。

録音ですが,残響が多くややくぐもっているのであまり良くないのですが,演奏の雰囲気には合っているかもしれません。私としてはやはり不満が残ります。

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シベリウス:交響曲全集(ザンデルリンク/ベルリン交響楽団)

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シベリウス:交響曲全集
クルト・ザンデルリンク(Kurt Sanderling)(Conductor)
ベルリン交響楽団(Berliner Sinfonie-Orchestra)
1970-77年録音
Berlin Classics 0002342CCCより CD13-16 (輸入盤)
好録音度:★★★★★
参考url: HMV Onlineicon

“Kurt Sanderling Legendary recordings”という16枚組のセットのCD13~16がシベリウスの交響曲全集になっていて,聴いたのはこれになります。このセットに含まれる曲についてはtower.jpをご参照下さい(ただし取り扱い終了)。この中のシベリウスの交響曲に関してはBerlin Classicsから発売されている全集(→HMV Onlineicon)と同じものだと思います。

まだ十分に聴けていないのですが,北欧的な情緒感(ってどんなのか実はよくわかっていませんが)はあまりないかもしれません。どちらかといえば質実剛健で,ベルグルンドの演奏に親しんできた私としても全く違和感なくすんなりと耳に入ってくる癖のない引き締まった演奏という印象を受けました。基本的にこういう演奏は好きです。

そして録音ですが,残響は適切に抑えられていて明瞭感があり,各楽器の分離も良好,音色も自然,弦楽器の質感も良好,弦楽器と管楽器のバランスも絶妙,多少の誇張はあるかもしれませんが(だから良いとも言える),あらゆる点で極めてバランスの良い好録音と言えます。聴いていて全くストレスを感じません。ちょっとおまけの感はありますが五つ星を付けたいと思います。1970年代の録音で,録音時期も数年にわたっていますが,録音のばらつきはあまり感じられません。

近年の音場重視,まとまり重視の録音とはやはり根本的にアプローチの違いを感じます。なぜこういう録音が廃れてしまったのか,装置のクオリティの進化に沿っているのかもしれませんが,私としては納得がいきません。

シベリウス:交響曲第六番,第七番,他(アシュケナージ/ロイヤル・ストックホルム・フィル)

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シベリウス:交響曲第六番,第七番,カレリア組曲,悲しきワルツ
ウラディーミル・アシュケナージ(Vladimir Ashkenazy)(Conductor)
ロイヤル・ストックホルム・フィルハーモニー管弦楽団(Royal Stockholm Philharmonic Orchestra)
2006年11月8-11日,2007年1月30,31日,2月1-3日 ストックホルム・コンサートホール
OVCL-00293 (P)(C)2007 Octavia Records Inc. (国内盤)
好録音度:★★★☆
参考url: HMV Onlineicon

シベリウスの7曲の交響曲の中では第六番が一番好きなのですが,アシュケナージのこの第六番は,ベルグルンドに慣れた耳には少し落ち着きがなく聴こえてしまいます(特に終楽章)。他の楽章,他の曲はそれほど気にならないのですが,残念ながらこの終楽章の印象が全体を支配してしまいます。これは私の感じ方の問題ですね。

録音ですが,これはとても惜しいのですが,ところどころでヴァイオリンの魅力的な音色が聴けるので,ここだけ聴けばなかなか良いのですが,いかんせん,残響が少し多めでフォルテなどは混沌として細部や内声が聴き取りづらくなってしまいます。もう少しすっきりしていれば文句なかったと思うのですが。オーディオクオリティはさすがに悪くありません。

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シベリウス:交響曲全集,ヴァイオリン協奏曲(マゼール/ウィーン・フィル)

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シベリウス:交響曲全集
ロリン・マゼール(Lorin Maazel)(Conductor)
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団(Wiener Philharmoniker)
Sofiensaal, Vienna, September 1963(No.1), April 1964(No.2), March 1966(No.5,7), March-April 1968(No.3,4,5)
430 778-2 (P)1963,1964,1966,1968 (C)1996 The Decca Record Company Limited (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考url: HMV Onlineicon,Amazon.co.jp


何ともパワフルで威勢の良い演奏ですねぇ。ツボにはまっているところはすごく良いのですが,ちょっとこれはやり過ぎではないかと思うところもあります。例えば第六番の終楽章などすごい推進力でちょっと違うんじゃないかと思ってしまいます。でも全体を見れば総合的には良いと思いますし,結構好きだったりします(でもこの第六番だけは勘弁して欲しい...)。

録音ですが,DECCAらしい音の捉え方でそつなくまとめた良い録音だと思います。古い録音のせいか,少しヌケの悪さも感じますが,嫌な響きも少なくすっきりしているので印象は悪くありません。

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シベリウス:交響曲全集(ブロムシュテット/サンフランシスコ交響楽団)

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シベリウス:交響曲全集
ヘルベルト・ブロムシュテット指揮(Herbert Blomstedt)(Conductor)
サンフランシスコ交響楽団(San Francisco Symphony)
Davies Symphony Hall, San Francisco, May & June 1989(No.4,5), May 1991(No.2), May 1993(No.7), May 1994(No.1), November 1994(No.3), March 1995(No.6)
475 7677 (P)1991,1992,1995,1996 (C)2006 Decca Music Group Limited (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考url: HMV Onlineicon,Amazon.co.jp,Tower Records

私にはベルグルンド/ヨーロッパ室内管弦楽団と同じような指向の演奏に感じます。北欧の薫り(って?(^^;)のする演奏ではありませんし,派手さや個性を主張するようなところのないどちらかといえば少し地味な演奏かもしれませんが,端正で引き締まっていて,シベリウスの普遍的な魅力だけが凝縮されたような素晴らしさがあります。

録音も,響きが抑えられすっきりと見通しよく録られています。誇張のない自然さを持ちながら,弦楽器の艶やかさもしっかりと捉え,フォルテシモでも埋もれることなく,非常にバランス良く仕上げられています。不満をほとんど感じません。録音は数年にわたっていますが,かなりきちんと揃えられています。

ということで,演奏も録音もよいのでこれは間違いなくお薦め出来ます。

シベリウス:交響曲全集(ベルグルンド/ヘルシンキ・フィル)

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シベリウス:交響曲全集
パーヴォ・ベルグルンド指揮(Paavo Berglund)(Conductor)
ヘルシンキ・フィルハーモニー管弦楽団(Helsinki Philharmonic Orchestra)
1986,1987å¹´ Culture Hall, Helsinki(No.1-6), 1984å¹´ All Saints Church, Tooting, London(No.7)
5 68643 2/5 68646 2 (P)1987,1988,1984 (C)1995 EMI Records Ltd. (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考url: HMV Online(No.1-4,icon, No.5-7icon)

ベルグルンドはシベリウスの交響曲全集を3回録音していますが,その2回目にあたります。1回目はボーンマス交響楽団で1970年代の録音,3回目はヨーロッパ室内管弦楽団で1995-97年の録音です。

3回目のヨーロッパ室内管弦楽団の全集と比較すると,3回目が理知的,透明でモノトーンであるのに対し,この2回目は情緒的で色彩感があります。3回目は精進料理のようであり,2回目は郷土料理のような素朴なコクのある味わいが感じられます(^^;。こう書くとまるで全く違うように思われるかもしれませんが,どちらもやっぱりベルグルンドなんです。

それで,どちらかといえばヨーロッパ室内管弦楽団との全集の方が好きなのですが,ヘルシンキ・フィルとの全集を聴くと,こちらも捨てがたい魅力があると思うのです。(で,その後ヨーロッパ室内管弦楽団の方を聴くとやっぱりこっちかな...と思ってしまいます(^^;)

録音ですが,EMIにしては各楽器の音色を艶やかに捉えていて悪くないと思います。残響も多少あり,音色への影響もゼロではありませんが,これなら十分許容できます。

この名演奏が,まずまずの録音で残されたことに感謝! 入手性も悪くありません。

シベリウス:交響曲全集(ベルグルンド/ヨーロッパ室内管弦楽団)

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シベリウス:交響曲全集
パーヴォ・ベルグルンド指揮(Paavo Berglund)(Conductor)
ヨーロッパ室内管弦楽団(Chamber Orchestra of Europe)
RFO Hall, Hilversum, The Netherlands, X/1997 (No.1,2,3)
Watford Colosseum, London, UK, IX/1995 (No.4,6,7)
Nijmegen Town Hall, The Netherland, XII/1996 (No.5)
WPCS-6396/9(3984-23389-2) (P)(C)1998 FINLANDIA RECORDS (国内盤)
好録音度:★★★★☆
参考url: HMV Onlineicon,Tower Records

ベルグルンド3度目の全集。総勢約50名の室内管弦楽団による演奏ですが,第一番,第二番,第五番は弦楽セクションを拡大しているということです。

どちらかというと情緒感は希薄で,ストイックに,感情に流されず,シベリウスの音楽を純粋に表現しようとしているように感じられます。こういう透明かつキリッと引き締まったところがとても気に入っています。ヘルシンキ・フィルとの全集とはかなり趣を異にしていますが,やっぱりベルグルンドだなぁと思いますし,ヨーロッパ室内管弦楽団という極めて能力の高いオーケストラを得てさらに洗練度を増していると思います。こういうところが逆に好まない方も結構おられるようですが。

録音ですが,特にここが良いというポイントはないのですが,逆に不満も全く感じないという点で,すごく絶妙にバランスの取れた良い録音に仕上がっていると思います。誇張も色づけもありません。残響も多少はありますが気にならないレベルで,見通しも良いです。録音は3年にわたり3回行われ,それぞれ収録場所も異なりますが,ほとんど意識されないほど統一感があります。強いて言えば1997年の第一番から第三番が一段鮮明さに優れているかなと思います。

で,この素晴らしい全集ががこともあろうか廃盤なんですかね...シベリウスの交響曲全集はそれほど多く聴いたわけではないのですが,これが一番気に入っているので...ちょっとショックです。


タワーレコードの企画盤として復刻されました!→Tower Records

で,改めてHMV Onlineの輸入盤の方を見てみると...「お取り寄せ - 通常ご注文後 2-5 日以内に入荷予定」となっていて,輸入盤でも入手可能のように見えます...本当でしょうか?→HMV Online でも,今となってはタワーレコードの企画盤の方が安いですし,もう意味はないのですが。

(追記2012/01/06)

シベリウス:交響曲全集,ヴァイオリン協奏曲(オイストラフ/ロジェストヴェンスキー/モスクワ放送交響楽団)

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シベリウス:交響曲全集
シベリウス:ヴァイオリン協奏曲 ニ短調 作品47
ゲンナジー・ロジェストヴェンスキー(Gennadi Rozhdestvensky)(Conductor)
ダヴィド・オイストラフ(David Oistrakh)(Violin)
モスクワ放送交響楽団(The USSR TV and Radio Large Symphony Orchestra)
1974年(第一番),1969年(第二番),1973年(第三番),1971年(第四番),1973年(第五番),1973年(第六番),1974年(第六番),1968年(ヴァイオリン協奏曲)
CDVE44237 (P)(C)2005 Venezia (輸入盤)
好録音度:★★★☆
参考url: HMV Onlineicon

昨日の続きで今日は交響曲全集へのコメントです。

HMV Onlineの解説によると「マニアの間で復活が待ち望まれていた伝説的な快演」「演奏はとにかくパワフルで強烈。…中略… 通常のシベリウス演奏の枠を大幅に上回る力感の誇示には驚かされます。」とあります。ユーザーレビューを見ても,賛否両論です。フェドセーエフのチャイコフスキーと同じ(ですよね?)モスクワ放送交響楽団ながら,同じオーケストラとは思えない力強さ! その鳴り感のすごさに驚きました。

確かに前述の解説やユーザーレビューにあるように凄まじさがあるのは確かですし,ベルグルンドに慣れた耳には相当刺激的で面食らったのは事実ですし,決して上品とは言えないのですが,あくまで統制された中で最大限に鳴らしている,その鳴りっぷりの良さがこの演奏の最大の特長かなと思います。さすがロシアのオーケストラと思いますし,シベリウスも自分たちの領域に引き込んで演奏してしまうところもロシア的と言えないでしょうか。

それで録音なのですが,昨日書いたヴァイオリン協奏曲と基本的には同じ傾向で,音の捉え方はまずまず良いのですが,音色に癖があり高域のヌケに難があるのとマスターテープの問題か強奏部で飽和気味になるのがマイナスポイントです。しかし,意外に楽器音が明瞭で質感・艶も感じられるので,実はそんなに悪くないかもしれんと思って聴いています。

この全集も友人のK.N.さんのご厚意で聴かせていただきました。有り難うございました。

[シベリウス][交響曲]
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