FC2ブログ

シューマン:交響曲第2番,第4番(フィリップ・ヘレヴェッヘ指揮/アントワープ交響楽団)

philippe_herreweghe_antwarp_so_schumann_symphonies_no2_4.jpg
シューマン:交響曲第2番,第4番
フィリップ・ヘレヴェッヘ指揮/アントワープ交響楽団
2018年6月18-20日, 2018年4月17-19日 ベルギー,アントワープ,エリザベート王妃記念音楽堂
PHI LPH 032 (P)(C)2019 OUTHERE (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,Apple Music

ヘレヴェッヘは1996年/2006年にシューマンの交響曲全集をピリオド楽器のオーケストラのシャンゼリゼ管弦楽団と録音しています。今回はモダン楽器のオーケストラです。Apple Musicで試聴してみました。これも録音についてのみコメントします。

残響は少し多めに取り入れられていて,しかも残響時間長めです。ですが,直接音もそれなりに感じられること,音色のバランスが絶妙に調整されていて曇りも少なく,高域の伸びもギリギリ確保されていることなどから,最初は「ん?」と思ったものの,聴き慣れるとまあ意外に聴けるというのが正直な感想です。弦楽器の質感が良いためかもしれません。好みの録音とはだいぶ違いますが,まあまあ許容範囲かなと思いました。この録音ならまぁ多くの人に受け入れられそうな気がします。音も滑らかで緻密であり,オーディオ品質も悪くありません。

残りの第1番,第3番も録音されて全曲盤となることを期待します。

ブルックナー:交響曲第6番(サイモン・ラトル指揮/ロンドン交響楽団)

simon_rattle_lso_bruckner_symphony_no6.jpg
ブルックナー:交響曲第6番イ長調
サイモン・ラトル指揮/ロンドン交響楽団
2019年1月 ロンドン、バービカン・ホール
LSO0842 (P)2019 London Symphony Orchestra (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,Apple Music

ロンドン交響楽団の自主レーベルLSO Liveから。Apple Musicでの試聴です。ガーディナーのシューマンの録音が結構好みだったので,同じレーベル,同じホールでの録音ということで聴いてみました。録音のみのコメントです。

聴いた瞬間の録音の印象はガーディナーのシューマンに似ていると思ったのですが,なんかどうも魅力がありません。残響を抑え気味にして直接音比率高めに録ってはいるのですが,音色に艶がなく詰まった感じなのです。ドライなのはまあ良いとしてカサカサしているのが良くないように思います。同じようでありながらほんのわずかな音の質感の差でこうも印象が変わるものなのかと。単に残響が抑えられていたら私の好みになるのか,という単純な話ではありませんでした。楽器そのものの音色がいかに魅力があるのかが大切ということを改めて感じました。

ブルックナーという音楽がその傾向を助長しているのかもしれません。

タグ: [交響曲] 

エルガー:チェロ協奏曲,他(宮田大 Vc/トーマス・ダウスゴー指揮/BBCスコティッシュ交響楽団)

dai_miyata_elgar_cello_concerto.jpg
エルガー:チェロ協奏曲,他
宮田大 Dai Miyata (Cello)
トーマス・ダウスゴー指揮/BBCスコティッシュ交響楽団
2019年8月25, 26日 グラスゴー,シティ・ホール
COCQ85473 (P)2019 BBC/NIPPON CLUMBIA CO., LTD (国内盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,e-onkyo,Apple Music

Apple Musicでの試聴。宮田氏は第74回日本音楽コンクール第一位,2009年の第9回ロストロポーヴィチ国際チェロコンクールで日本人として初優勝するなどのコンクール歴を持つ実力者とのこと。今回は録音についてのみコメントします。

で,その録音ですが,チェロの音は適度な距離感で明瞭に捉えられ,オーケストラよりも前に出る形で分離され協奏曲として好ましい録り方となっていますが,特に印象に残ったのはオーケストラの密度感とスケール感です。濃厚なオーケストラサウンドなのですが,暑苦しくならないギリギリのところを狙ったようであり,音色のバランス,自然さもまずまずといいうところです。それでいてチェロが埋もれることなくちゃんと聴こえてくるので,上手く録っていると思います。好みの録音とは少し違うのですが,これは上手くまとめていると思いました。良かったです。

ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ全集(ウート・ウーギ Vn/ラマール・クラウソン P)

uto_uthi_beethoven_complete_violin_sonatas.jpg
ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ全集
ウート・ウーギ Uto Ughi (Violin)
ラマール・クラウソン Lamar Crowson (Piano)
録音 1978年
19075956262 (P)(C)2019 Sony Music Entertainment (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon

イタリアを代表するヴァイオリニスト,ウート・ウーギによる全集。当初の発売はイタリア・リコルディで,今回初CD化とのことです。それにしてもこのアルテュール・グリュミオーを彷彿とさせるような(私だけ?)美音が素晴らしいです。こういう音色を出すヴァイオリニストは現代では少ないような気がします。この美音に触れられただけでも本当に良かった!と思える全集です。

録音ですが,曲により多少のばらつきがあるのですが,ヴァイオリンはかなりのオンマイクで,残響がほとんど感じられません。極めて明瞭でニュアンス豊かであり,楽器の質感も大変良く感じられ,このヴァイオリニストの美音を堪能するのにうってつけと言えます。一方で,ピアノは控えめで,ヴァイオリンが主,ピアノは従と,主従関係がはっきり分かれているような録り方です。私としてはヴァイオリンの音が良い捉えられ方なので問題ありませんが,ヴァイオリン・ソナタの録り方としてはちょっと極端であざといかなとは思います。

また,1978年の録音にしてはクオリティが今ひとつです。マスターテープの品質があまり良くない感じで,ブツブツというノイズや,ドロップアウトのような音の乱れがわずかではありますが感じられ,これだけが惜しいと言わざるをえません。

とはいえ,この貴重な録音がCD化されたのは喜ばしいことだと思います。

■購入ディスクメモ(2019年11月) その1

最近購入したディスクのメモです。



herbert_von_karajan_bpo_bruckner_symphony_no8_schumann_symphony_no4.jpg
ブルックナー:交響曲第8番ハ短調
シューマン:交響曲第4番ニ短調作品120
ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
1988年11月,1987年5月 ウィーン,ムジークフェライン
UCCG-4737/8 (P)1989/1990 Deutsche Grammophon (国内盤)
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon

ブルックナーの交響曲はどちらかというと苦手な部類であまり聴きません。ですが,時々聴きたくなることがあります。今更という気がしたのですが,今回は第8番をカラヤン晩年のウィーン・フィルとの演奏で。



miro_quartet_beethoven_complete_string_quartets.jpg
ベートーヴェン:弦楽四重奏曲全集
ミロ・クァルテット Miró Quartet
2004å¹´-2019å¹´
PTC 5186 827 (P)2019 Pentatone Music (輸入盤)
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,Apple Music

ミロ・クァルテットのベートーヴェンは,作品18と作品59が既発売でレビューしていました(→こちら)。その後ずっと続きを待っていたのですが,またいきなり全集化かよ!と思ったら,実はMiro Quartet Mediaという自主レーベルで少しずつ発売されていたようです。完全に見逃していました。今まで聴いてきたものが大変よかったので,これも楽しみです。



guarneri_quartet_1960s_beethoven_complete_string_quartets.jpg
ベートーヴェン:弦楽四重奏曲全集
グァルネリ四重奏団 Guarneri Quartet
1966年11月-1969年12月 ニューヨーク,ウェブスター・ホール
19075971162 (P)2003 (C)2019 Sony Music Entertainment (輸入盤)
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,Apple Music

グァルネリ四重奏団は1964年結成,2001年まで同じメンバーで活躍したとのことで,同一メンバーによる弦楽四重奏演奏の記録保持者でもあるということです。この全集は結成から数年後に録音された1回目の全集です(1987-1991年にPHILIPSレーベルに2回目の全集録音)。

で,あぁ,これ実は2003年に発売されたものを持ってたんだった...またやっちゃいました。



uto_uthi_beethoven_complete_violin_sonatas.jpg
ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ全集
ウート・ウーギ Uto Ughi (Violin)
ラマール・クラウソン Lamar Crowson (Piano)
録音 1978年
19075956262 (P)(C)2019 Sony Music Entertainment (輸入盤)
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon

イタリアを代表するヴァイオリニスト,ウート・ウーギによる全集。当初の発売はイタリア・リコルディで,今回初CD化とのことです。



mario_brunello_vc_bach_sonatas_and_partitas.jpg
バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ全曲(チェロ版)
マリオ・ブルネロ Mario Brunello (Cello)
2018年10月1-3, 20-22日 イタリア,カステルフランコ・ヴェネト,パルコ・ボラスコ荘祝宴ホール
ARCANA A469 (P)(C)2019 Outhere Music France (輸入盤)
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,Apple Music

蒐集盤。チェロによる演奏。ブルネロは無伴奏チェロ組曲を1993年と2009年に録音していて取り上げていました(→1回目,2回目)。今回は無伴奏ヴァイオリンです。

チェロによる演奏というと,全曲盤ではヴィト・パテルノステル,ノルベルト・ヒルガー,マルック・ルオラヤン=ミッコラ,ターニャ・アニシモワの4種類を聴いたことがあります。これはどんな演奏を聴かせていただけるのか,大変楽しみです。



francesco_galligioni_1_bach_cello_suites.jpg
バッハ:無伴奏チェロ組曲第1番,第2番,第3番
フランチェスコ・ガッリジョーニ Francesco Galligioni (Cello)
2018年10月8-10日 イタリア,ニゴリネ,サンテウフェーミア教会
FB1904783 (P)(C)2019 fra bernardo (輸入盤)
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,Apple Music

蒐集盤。バロックチェロによる演奏。輸入元情報によると,フランチェスコ・ガッリジョーニは「パドヴァのC.ポッリーニ音楽院で学んだあとバロック・チェロやヴィオラ・ダ・ガンバも専門的に学び,ヴェニス・バロック・オーケストラの創設メンバーとしてジュリアーノ・カルミニョーラらと多くの演奏・録音に参加」とのことです。第1集とのことですので,全集化されるようです。

シベリウス:交響曲全集,他(コリン・デイヴィス指揮/ロンドン交響楽団)

colin_davis_lso_sibelius_complete_symphonies.jpg
シベリウス:交響曲全集,管弦楽曲集
コリン・デイヴィス指揮/ロンドン交響楽団
1992-2000å¹´
88765431352 (P)2013 Sony Music Entertainment (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,Apple Music

コリン・デイヴィスのシベリウス交響曲全集2回目の録音。1回目はボストン交響楽団でした。3回目は2002年から2008年にかけて同じロンドン交響楽団で録音されました。

収録曲は次の通りです。今回は主に交響曲についてのコメントです。

交響曲全集
クレルヴォ交響曲作品7
組曲「恋人」作品14
交響詩「伝説」作品9
4つの伝説曲作品22
交響詩「ポホヨラの娘」作品49
交響詩「吟遊詩人」作品64
「カレリア」組曲作品11
交響詩「大洋の女神」作品73
交響詩「フィンランディア」作品26
「悲しきワルツ」作品44-1
交響詩「タピオラ」作品112
交響詩「夜の騎行と日の出」作品55


演奏ですが,基本路線は1回目の録音と似ていますが,1回目がどちらかと言えばストレートであったのに対し,2回目はそれぞれの曲の表情の彫りが深くなっているように思います。そして3回目の録音とほぼ同じ印象です。1回目はそれはそれで素晴らしかったのですが,2回目は別の良さが出ています。再録音された理由がわかる気がします。

そして録音ですが,残響はあるものの,それぞれの楽器が明確に分離し,質感豊かに,適度なステージ感で聴こえること,高らかに鳴る金管を飽和感なく捉えていること,など,なかなか良いオーケストラ録音だと思いました。

演奏の質も高く,録音の品質も良好な,良い全集だと思いました。さすが「シベリウスの演奏をライフワークと位置づけてきた」というだけのことはありますね。この全集,入手困難ではないと思いますが,現役盤ではないような気がします。良い全集だと思いますので,現役盤復帰を願います。

ハイドン:弦楽四重奏曲集(ハンソン四重奏団)

quatuor_hanson_haydn_string_quartets.jpg
ハイドン:弦楽四重奏曲集
ハンソン四重奏団 Quatuor Hanson
2018年11月, 2019年3月 Little Tribeca at Théâtre d'Arras
AP213 (P)(C)2019 Little Tribeca (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,Apple Music

ハンソン四重奏団は2013年に結成された若手の四重奏団。2016年ジュネーヴ国際音楽コンクール第2位,同年のヨーゼフ・ハイドン室内音楽コンクール第2位などの実績があるようです。これがデビューCDとのことです。収録曲は次の通りです。

弦楽四重奏曲ニ長調作品50-6「蛙」
弦楽四重奏曲ニ短調作品76-2「五度」
弦楽四重奏曲ハ長調作品54-2
弦楽四重奏曲ト長調作品33-5
弦楽四重奏曲ヘ短調作品20-5
弦楽四重奏曲ヘ長調作品77-2


生き生きとした躍動感のある演奏が印象的です。ちょっと大げさなところもありますが,これくらいユーモアをもって演奏してくれた方がハイドンの音楽としては楽しいですね。これは良かったです。

そして録音ですが,少し残響を伴っていますが,直接音が主体であり,明瞭で楽器の質感も良く感じられます。高域の伸びも問題ありません。わずかな残響の付帯音がなければもっと良かったのにとは思いますが,それでも好録音です。

選曲からするとハイドンの録音は当面なさそうですね。この演奏ならエルデーディ四重奏曲作品76はまとめて聴きたかったなぁとちょっと残念に思いいます。今後の活躍に期待!

ハイドン:弦楽四重奏曲集作品20 Vol. 1 (No. 2, 3, 5)(アムステルダム・デュドック四重奏団)

dudok_quartet_haydn_op20_vol1.jpg
ハイドン:弦楽四重奏曲集作品20 Vol. 1 (No. 2, 3, 5)
アムステルダム・デュドック四重奏団 Dudok Quartet Amsterdam
2019年5月13-15日, Studio 1, Muziekcentrum van de Omroep, Hilversum, The Netherlands
RES10248 (P)(C)2019 Resonus Limited (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,Apple Music

デュドック四重奏団はオランダの若手奏者で結成された四重奏団とのことです。収録曲は,作品20から3曲が収録されています。モダン楽器による素直でとても生真面目な感じの演奏です。技術的にも上手く,丁寧で音色や響きがとても美しいです。

録音ですが,少し残響が多めで,マイクも少し遠い感じがあって,残響が被って音色が少しくすんでいますし,明瞭感も落ちています。楽器の質感も感じ取りにくいです。もう少し残響を抑えてスッキリとクリアに録って欲しいところです。ちょっと惜しいです。

ブラームス:ヴァイオリン協奏曲,二重協奏曲(ヤン・ティエンワ Vn/ガブリエル・シュヴァーベ Vc/アントニ・ヴィット指揮/ベルリン・ドイツ交響楽団)

tianwa_yang_brahms_violin_concerto.jpg
ブラームス:ヴァイオリン協奏曲,二重協奏曲
ヤン・ティエンワ Tianwa Yang (Violin)
ガブリエル・シュヴァーベ Gabriel Schwabe (Cello)
アントニ・ヴィット指揮/ベルリン・ドイツ交響楽団
2017年7月5-7日 ベルリン,イエス・キリスト教会
8.573772 (P)(C)2019 Naxos Rights US (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,Apple Music

ヤン・ティエンワ(Tianwa Yang 楊天堝)は中国出身,1987年生まれの若いヴァイオリニスト。私はあまり意識していなかったのですがNaxosで多数リリースがあり,サラサーテの一連の録音が高い評価を受けているとのことでした。

今回はヴァイオリン協奏曲のみのコメントです。

演奏はどちらかといえばオーソドックスですが,技術のキレが素晴らしく,力強く推進力のある曲運びとヴィブラートを絶妙に効かせた美音が印象的でした。個性的ではないので強い印象は残しませんが,真っ当な好演奏だと思います。

録音ですが,オーケストラは残響が少々多めで,ソロも少し遠い感じがありますが,直接音の比率が高めなので音色も曇ることなく,伸びがあり,印象は悪くありません。協奏曲なのでもう少しソロにフォーカスし,質感強めに出して欲しかったとは思いますが,ソロとオーケストラのバランスは誇張がなく自然でこれが適正なのかもしれません。全体にまずまず良好なのですが,でもまあちょっと惜しいかなと思います。

バッハ:ゴルトベルク変奏曲 BWV 988(マレイ・ペライア)

murray_perahia_bach_goldberg_variations.jpg
バッハ:ゴルトベルク変奏曲 BWV 988
マレイ・ペライア Murray Perahia (Piano)
July 9-14, 2000 Musica - Théâtre, La Salle de Musique, La Chaux-de-Fonds, Switzerland
SK 89243 (P)(C)2000 Sony Music Entertainment (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,Apple Music

ショパンの練習曲集がとても良かったので,大好きなゴルトベルク変奏曲も聴いてみることにしました。これはモダンピアノの表現力を最大限に活かした演奏ですね。それぞれの変奏に合わせて様々な表情が与えられています。元々技術力のあるピアニストですが,ベースをしっかりと固めた上でその技術力の大半が練り上げられた表情付け注がれている印象です。大変多くのディスクが存在する曲ですが,なんか次元がちがう感じですね。ショパンの練習曲でポリーニの対極であったように,グールドの対極にあるような演奏だと思いますし,その中でも最高峰に位置するのではないでしょうか。

録音ですが,録音会場の響きが楽器音に被って音色をわずかにくすませていますが,ピアノの音はしっかりと明瞭感をもって捉えられていますので,十分許容半に入りますし,一般的には良好な録音の部類に入るのではないでしょうか。私としてはもう少し響きを抑えてスッキリと伸びのある音で録って欲しかったとは思いますが。大変惜しいと思います。
-->