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ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第10番「ハープ」,第14番(クァルテット・エクセルシオ)

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ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第10番「ハープ」,第14番
クァルテット・エクセルシオ Quartet Excelsior
2019年12月18,19日 武蔵ホール(埼玉)
Live Notes WWCC-7939 (P)2021 NAMI RECORDS (国内盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon

第12番,第16番,第7番~第9番「ラズモフスキー四重奏曲」,第1番~第6番,第11番「セリオーソ」,第15番に続くベートーヴェン・シリーズの第五弾。

ここに来て第2ヴァイオリンが交代されたとのことですが,今までの演奏と変わりないクオリティの高さ,完成度を達成していると思いました。個性的な演奏ではありませんが,日本人らしい(という言い方はあまり良くないかもしれませんが)生真面目さ,素直さ,そして技術力の高さが,曲の持つ本来的な美しさを最大限に引き出しているように思いました。

録音についてもこれまでと同様で,やや残響が多めに取り入れられ,楽器音に被って音色をくすませています。改善されることを望みましたが,許容範囲内ではあるので,まあここまで来たらこの録音で統一というのも全集としては良いかもしれません。

全集としては,いよいよ第13番と大フーガを残すのみとなりました。楽しみに待ちたいと思います。

ハイドン:弦楽四重奏曲集作品76「エルデーディ四重奏曲」(ロンドン・ハイドン四重奏団)

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ハイドン:弦楽四重奏曲集作品76「エルデーディ四重奏曲」
ロンドン・ハイドン四重奏団 The London Haydn Quartet
2020年2月27日-3月3日 ポットン・ホール(サフォーク)
CDA68335 (P)(C)2021 Hyperion Records (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon

弦楽四重奏曲全集への第九弾。作品9,作品17,作品20,作品33,作品50,作品54,作品55,作品64,作品71,作品74はレビュー済みです。全集化もいよいよ大詰めで待ちに待ったエルデーディ四重奏曲です!

演奏はここまでリリースされてきたものと基本的に同じで,ピリオド楽器のガット弦の立ち上がりの遅さを逆に利用したような弦に吸い付くような弓遣いで独特の起伏のある表現を創り出しています。スピード感のある快活な演奏が多い昨今の傾向からは一線を画す独自のピリオド楽器らしいスタイルを確立していますね。技術的にも優れ完成度の高い音楽に仕上げているのも今までと同様です。

ただ一つだけ...五度の第1楽章はちょっと遅すぎるのと止まりそうになるテンポ感はいただけません。今までに聴いたことのないような表現ではあるのですが,これだけは良いと思えませんでした。

録音についてもこれまでと同様で,若干残響のまとわりつきで音色に影響が出ているのが気になりますが,音の伸び,楽器の質感もまずまずです。生録的なところも良いのですが,少し録音環境の雰囲気を残しすぎているような気はします。もう少し抑えてくれていたらなと思いましたが,好録音と言って良い出来だと思います。

全集完成まであと残り少し,楽しみに待ちたいと思います。

ベートーヴェン:交響曲第7番(テオドール・クルレンツィス指揮/ムジカエテルナ)

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ベートーヴェン:交響曲第7番イ長調作品92
テオドール・クルレンツィス指揮/ムジカエテルナ
2018年8月 ウィーン、コンツェルトハウス
19439743772 (P)(C)2021 Sony Music Entertainment (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,e-onkyo,Apple Music

昨年第5番「運命」がリリースされずいぶん話題になり取り上げていました(→こちら)。同じ2018年の録音です。

第5番は驚異的な「揃い」で別次元の音楽を創り上げているというちょっとした衝撃を受けましたが,この第7番ではそこまでのインパクトはありませんでした。ただ,多くの演奏では意識に上ってこない低域や内声部の動きが強調され,おぉ!と思うところは随所にあって,こういった曲作りは第5番と共通していました。といえど奇を衒ったわけではなく真っ当な表現を突き詰めてここに至ったのだろうと思います。

録音については第5番があまり良くなかったので心配したのですが,この第7番はそれに比べると低域の過剰で締まりのない響きが抑えられ,少しマシで普通に聴けると思いました。ですがやはり残響をもう少し抑えてスッキリと中高域の透明感,ヌケ感を出して欲しかったなと思います。

タグ: [交響曲] 

久しぶりにオルフェウス室内管弦楽団のハイドン交響曲集を聴きました...

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ハイドン:交響曲第60番ハ長調「うかつ者」
ハイドン:交響曲第91番変ホ長調
オルフェウス室内管弦楽団 Orpheus Chamber Orchestra
Performing Arts Center, State University of New York at Purchase, 3/1992
437 783-2 (P)1993 Deutsche Grammophon GmbH, Hamburg (輸入盤)
好録音度:★★★★☆

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ハイドン:交響曲第53番ニ長調「帝国」
ハイドン:交響曲第73番ニ長調「狩」
ハイドン:交響曲第79番ヘ長調
オルフェウス室内管弦楽団 Orpheus Chamber Orchestra
Performing Arts Center, State University of New York at Purchase, 12/1992
D 104838(439 779-2) (P)1994 Deutsche Grammophon GmbH, Hamburg (輸入盤)
好録音度:★★★★☆

久しぶりに聴きたくなって棚から引っ張り出してきました。これらのディスクについては以前取り上げていました(→こちら)。指揮者を置かない室内管弦楽団で,キレのあるシャープな演奏が好きで,録音も比較的好きだったので,このハイドンに限らずよく聴いていました。一時期ドイツ・グラモフォンに多くの録音を残していたのですが,最近ほとんどリリースされていないのが残念です。

ボックスセットが発売されたら買うのになぁと思っていたところで,ブログ読者の方から発売されるという情報をいただきました(有り難うございます!)。8月の発売のようで,まだまだ先なのでHMVやTower Recordsでは情報がまだないですが,いずれ出てきたら忘れず入手しようと思います。楽しみです。

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The Complete Recordings on Deutsche Grammophon (55 CDs)
オルフェウス室内管弦楽団 Orpheus Chamber Orchestra
参考: Amazon.co.jp ※2021年8月20日発売

「CD試聴記」Webサイト開設19周年!

姉妹サイトの「CD試聴記」が開設19周年を迎えました。変わらぬご支援に本当に有り難うございます。

前回の更新が2018年8月20日ということで,相当長い間更新が滞っていて大変申し訳なく思っております。バッハ無伴奏ヴァイオリンや無伴奏チェロ組曲のディスクは見つける度に入手は続けているものの,未レビューディスクが積み上がる一方... 19周年といっても意味のある19周年になっていないですね。来年20周年になるので,何とかしなければと思っております。今後とも何とぞよろしくお願い申し上げます。

リムスキー・コルサコフ:交響組曲「シェエラザード」,他(ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団)

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リムスキー=コルサコフ:交響組曲「シェエラザード」作品35
ボロディン:歌劇「イーゴリ公」から
1967年1月、1970年12月,1971年1月 ベルリン,イエス・キリスト教会
UCCG-90682 (P)1967,1972 Deutsche Grammophon (国内盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,e-onkyo,Apple Music

カラヤンの同曲唯一の録音とのことです。ヴァイオリン・ソロはミシェル・シュヴァルベが担当。とても濃厚な演奏・録音だと思います。これだけ音の密度が高いにも関わらず要所がキッチリと押さえられていて聴きたい音がちゃんと聴こえてきます。こういったところがカラヤンの巧みなところだと思いました。

録音は残響はそれほど取り込まれていませんが音の捉え方が上記の通りかなり濃厚で密度が高いです。しかしながら録音においても多少の誇張がなされていて聴きやすくまとめられていると思います。この曲らしいまとめ方になっていて悪くはないと思いますが,個人的にはもう少しスッキリと録っている方が好みなので。

国内盤は新しい製盤やCDの素材の材質などが開発される度に再発されているようで,いくつもの種類が入手可能です。なお,同じジャケットデザインのように見えて,カップリング曲が異なるものがありますので要注意です。

タグ: [交響曲] 

ドヴォルザーク:交響曲第8番,他(コンスタンティン・シルヴェストリ指揮/ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団)

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ドヴォルザーク:交響曲第8番ト長調作品88,他
コンスタンティン・シルヴェストリ指揮/ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団
録音 1957年
Diapason No.70 (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,Apple Music

今年の末にタワーレコード企画盤で第7番-第9番が収録されたSACDハイブリッド盤が発売されました。とても興味があったのですが古い録音なので第8番の同じと思われる演奏をApple Musicで聴いたところ演奏がとても良かったので入手しようと思ったのですが,さすがにちょっと高いと思い,第8番のみApple Musicで試聴したディスクの方を入手することにしました。

演奏は質実剛健ですが,速いテンポで強引にドライブしている感あり,やや前のめりでちょっとやり過ぎのようにも思いました。でもこういうキレのある演奏は好きですね。熱くなります。

録音は1957年のステレオ録音ということで,高域の伸びが今ひとつでヌケがよくなくわずかにこもり気味ですが,残響は多くなく各楽器の分離感,明瞭感もそこそこあって悪くありません。高域の伸び感だけが残念です。1957年の録音と思えば十分に良いとは思います。

このディスクは2018年末頃に発売されたディアパゾン誌の企画盤のようですが,第8番は2017年に「アナログ・マスターからの最新リマスター音源を使用した」と明記されたディスクが発売されていました。こちらにしたらよかったかなとちょっと後悔。

以下,参考。

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ドヴォルザーク:交響曲第7番,第8番,第9番「新世界より」,他
コンスタンティン・シルヴェストリ指揮/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団/ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団/フランス放送国立管弦楽団,他
録音 1957年-1961年
TDSA-183 TOWER RECORDS DEFINITION SERIES (タワーレコード企画盤)
参考: Tower Records

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ドヴォルザーク:交響曲第8番,序曲「謝肉祭」
コンスタンティン・シルヴェストリ指揮/ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団
1957年6,7月, 1958年7月 ロンドン、キングズウェイ・ホール
WPCS-28015 ワーナーミュージックジャパン (国内盤)
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon

タグ: [交響曲] 

ビゼー:交響曲ハ長調,子供の遊び,シャブリエ:田園組曲(フランソワ=グザヴィエ・ロト指揮/レ・シエクル)

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ビゼー:交響曲ハ長調,組曲「子供の遊び」作品22
シャブリエ:田園組曲
フランソワ=グザヴィエ・ロト指揮/レ・シエクル
Enregistrement réalisé à la Cité des Congrès de Nantes en janvier 2007
MIR036 (P)(C)2007 MIRARE (輸入盤)
好録音度:★★★★★
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,Apple Music

Apple Musicでこの録音に出会い,軽快で溌剌としたビゼーの交響曲に魅了されるとともに録音も大変気に入っていました。以前取り上げています(→こちら)。長い間ずっとディスクを探していたのですが,幸運にも安価に入手することができました。

改めて聴いてみて,録音については以前のレビューの通り「やや演出された仕上がりで実在感や楽器の質感が薄め」であり,ちょっと求める録音とは違うと思うものの,気持ち良く聴けることに変わりなく,評価は今もって変わっていません。

Apple Musicで気軽に聴ける状態で有り難かったのですが,やっぱり非圧縮音源で聴きたいと思うので,こういう音源も非圧縮のダウンロード音源で販売があれば良いのにと思いますね。

チャイコフスキー:交響曲全集,マンフレッド交響曲,他(イーゴル・マルケヴィチ指揮/ロンドン交響楽団,他)

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チャイコフスキー:交響曲全集,マンフレッド交響曲,他
イーゴル・マルケヴィチ指揮/ロンドン交響楽団,他
録音 1962-1967年
PROC-1172/6 *Tower Records Vintage Collection - Igor Markevitch 100th anniversary
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records

タワーレコード企画盤。イーゴル・マルケヴィチ生誕100年記念盤(2012年発売)とのこと。交響曲の他に,フランチェスカ・ダ・リミニ,ハムレットが収録されています(ニュー・フィルハーモニア管弦楽団)。

演奏は切れ味鋭く攻めていると思いますが,オーケストラが粗くなることなく指揮者の要求に余裕で応え鳴らしきるダイナミックレンジの広さはさすがに巧いなと思いました。

で,このディスクで特筆したいのはやっぱり録音です。1960年代前半の録音なので,クオリティ面では時代なりのところはあるものの,鑑賞には全く問題ないレベルであり,何よりも個々の楽器の音が分離良くクリアーに聴こえてくるところが良いと思います。昨今の録音からするとやや誇張があり多少の不自然さはあるかもしれませんが,音楽として大変気持ち良く聴くことができるという良さをこの時期の録音は持っていると思いますね。現代の録音が見習って欲しい点です。

ベートーヴェン:交響曲全集(マレク・ヤノフスキ指揮/ケルンWDR交響楽団)

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ベートーヴェン:交響曲全集
マレク・ヤノフスキ指揮/ケルンWDR交響楽団
2018年-2019年 ケルン・フィルハーモニー
PTC 5186860 (C)2020 PENTATONE MUSIC (輸入盤)
好録音度:★★★★☆,★★★★(第9番)
参考: Tower Records,Amazon.co.jp,HMV Onlineicon,Apple Music

第5番「運命」,第6番「田園」は既出でほぼ1年半前にレビューしていました(→こちら)。速めのテンポで躍動感があり,引き締まっています。そして全く癖がなくすんなりと耳になじむ表現。モダンオーケストラによる今どきの演奏を極めている感があります。印象が残りにくい面はあるものの,私にとってはある意味理想的と思える演奏でした。良かったです。

録音ですが,やや残響が多めではあるものの,中低域の響きが締まっており,音のキレが良いため,音色や明瞭感への影響は少なめで印象は悪くありません。残響の影響で高域が少し曇り気味でモゴモゴした感じがあるのは少し残念です。第7番,第8番は残響がもう少し多め,第9番はさらに多くなって私の許容範囲を少し越えています。第6番までの録り方であれば良かったのですが少々残念です。残響が許せる方なら問題ないかもしれません。

ケルンWDR交響楽団は2017年-2018年にユッカ=ペッカ・サラステ指揮で同じベートーヴェンの交響曲全集を完成させていたので(→レビュー記事),短期間に連続して2つの全集をリリースしたことになりますね。
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